情報リテラシーの授業を 1 年生の通年必須科目にしています

鳥取環境大学では、学生は入学と同時にパソコンを購入し、授業やレポート提出などをはじめ、学校生活に関する情報のほとんどをメールや Web 掲示板システム等を通じて行うようになっています。使用するパソコンの初期設定は大学側で行っており、その選定やシステムの構築については、齊藤明紀先生をはじめとする情報システム学科の教員がアドバイスしています。
「パソコンは、在学中ずっと使うので、端末の差が大きく異ならないよう学年ごとにスペックや OS、ソフトのバージョンを揃えた状態で購入するようにしています。自前のパソコンを持ち込む学生も年に数名はいますが、その場合の初期設定も大学側で行います」
初期設定でインストールされるのは、ブラウザ (Firefox) とメールソフト (Thunderbird)、オフィススイートやセキュリティソフトなど。さらに、学校生活で必要なブックマークの登録やプロキシなどが設定されています。その他にも細かいところでは、HTML メール機能や、共通受信トレイ (統合メールフォルダ) をオフにするなどしているそうです。
「情報リテラシーの授業を 1 年生の必須科目として開講しています。週 1 回、1 年間を通してパソコン自体の取り扱い方やインターネットの使い方、メールの設定や使い方、その他様々なソフトの扱い方など、ひと通りの知識が身に付けられるようにしています。基本的な操作はもちろん、Firefox のバージョンアップ作業を実際に行ってみるなど、実践的なカリキュラムを組んでいます」
学内の情報システムはセキュリティ重視で構築しました

学生生活において、定期的にインターネットにアクセスする環境が不可欠なため、学内の主な講義室およびすべての学生研究室に情報コンセントと電源が用意されており、補完する形で無線 LAN も各所に用意されています。
「学生がインターネットを自由に使えるようにするためにも、セキュリティ面の対策は重要でした」と齊藤先生。「Mozilla 製品を選択した理由は無料だったことに加え、当時シェアが高かった Internet Explorer (IE) よりも、セキュリティ面で安全だと考えたからです。開学当時は Netscape Navigator をプリインストールしていたのですが、開発が終了した後も、Firefox と Thunderbird にそれぞれスムーズに移行できましたし、サポートや管理面でも大きな問題なく運用できています」
初期設定で、IE のアイコンがデスクトップに表示されないようにしているので、中には「インターネットが使えない」と言う学生もいるのだとか。
「実際、就活のためにアクセスした企業サイトが IE しか表示できないケースがあるようですが、アドオンを使えば表示ができますし、特定のブラウザでしか表示できないサイトは問題があることが実体験から学べます。ブラウザにもいろいろ種類があって、選択肢があることがわかるだけでも、Firefox を選んだ意味があったと感じています」
教職員向けシステムも Firefox 対応。サポートも学内で行っています

学生用のパソコンだけでなく、教職員のパソコンも Firefox を使用しているので、業務システムや図書館の資料を検索する蔵書検索システム (OPAC) なども Firefox から使えるように構築されています。また、学生が自力で解決できないトラブルに関しては、情報メディアセンター (図書館と情報センターを併せた施設) に専用のヘルプデスクを常設し、図書情報課のスタッフと学生アルバイトでサポートされています。
「ソフトに関しては開学以来ずっと Netscape 製品および Mozilla 製品を使い続けていますので、ノウハウが蓄積され、ほとんど対応に困ったことはありません。図書情報課のスタッフは他の業務と兼任のため、アルバイト学生に任せていることも少なくないのですが、学生は代々情報システム学科の学生が引き継いでおり、トラブル対応も含め十分に対応できています」
また、ハードウェアの障害切り分けや修理の受付も大学で行っており、修理期間中には大学が準備している故障代替機を学生に貸し出すなど、学生が授業等で困らないように配慮されています。
おもしろいアドオンが口コミで流行ったことがありました

大きなトラブルはないものの、ちょっとした使い方の間違いやバックアップの取り忘れなど、細かな問題は日々あるようです。その点について齊藤先生は、ある程度はソフトやパソコン側が自動で行なえるようにすることも必要だとおっしゃいます。
「パソコンに関する情報は次々と新しく増えていきますし、情報リテラシーの授業も 1 年生で終わるため、忙しい大学生活の中でインターネットやパソコンに関する知識を継続して高めようとする学生は、それほど多くはないと感じています。たとえば、バックアップの必要性は分かっていても、つい忘れてしまうもの。けれども、学生にとっては大変なトラブルになることもあるので、定期的に一括バックアップできるような仕組みがあると良いと考えています」
他にも、学内ではプロキシ経由でインターネットにアクセスしているため、自宅で誤って設定を変更して使えなくなるなどのトラブルも。使うにあたっての設定がけっこう難しいと感じる学生もいるので、今後はそうした問題にも、何らかの方法で対処していきたいと考えておられるようです。
「ソフトを積極的にカスタマイズする学生は少ないようですが、ボタンがしいたけに変わるアドオンが口コミで一気に流行ったりするというようなこともあります。そうしたカスタマイズは禁止していませんし、むしろソフトは役に立つ以外に、おもしろいだけの機能もあるというのを知って、情報全体に興味を持ってくれるようになれば良いと感じています」

