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Mozilla がオープンソースサポートプログラムを発表

[この記事は米国 Mozilla Blog に Mozilla 会長 Mitchell Baker 名で掲載された記事 "Mozilla Launches Open Source Support Program" の抄訳です]

初回の助成金額は 100 万 US ドル

Mozilla は本日、オープンソースとフリーソフトウェアの支援に焦点を絞った助成プログラムを発表します。Mozilla がこのプログラムに提供する最初の助成金額は、1,000,000 ドルです。すでに Mozilla との深いつながりを持つ皆さんは、ぜひこの第 1 回目の助成プログラムに参加してください。

Mozilla は、オープンソースとフリーソフトウェア推進の一翼を担っています。Mozilla はそうした活動によって生まれた組織であり、その活動がもたらした技術と行動のおかげで成長しています。私たちが築こうとしているインターネットとオンライン生活にとって、オープンソースとフリーソフトウェアが今後も重要な要素であることを Mozilla は理解しています。Mozilla には何年も前から助成金プログラムがありましたが、このコミュニティに新たなレベルの支援を提供するために、体系的にその形を整えるべき時期がきているのです。

Mozilla オープンソースサポートプログラムは、Mozilla の活動と Web の健全性に役立つオープンソースプロジェクトによってフリーソフトウェアの推進をリードしているコミュニティを評価し、称えるものです。このプログラムには、a) Mozilla を支えているオープンソースプロジェクトとフリーソフトウェアプロジェクトへの「恩返し」という意味と、b) それ以外に、Mozilla が資金を提供することで私たちのコミュニティ全体にさらに大きな成功をもたらす可能性があるプロジェクトを「応援」するという、両面の意味があります。この 2 つの構成要素については、今後より具体的な名称を決める予定です。オープンソースプログラムとフリーソフトウェアプログラムのセキュリティに対する注目が高まっていることを受け、Mozilla オープンソースサポートプログラムには、そうしたセキュリティプロジェクトを支援する要素も含まれています。Mozilla オープンソースサポートプログラムに対する Mozilla の初回助成金は、100 万 US ドルです。それ以降の助成金額は、プログラムの進展に応じて決定していきます。

Mozilla を支えているオープンソースプロジェクトとフリーソフトウェアプロジェクトに対する「恩返し」プログラムは、直ちに実施されます。Mozilla を支え、Mozilla が思慮に富んだ有意義な方法で資金を提供できるプロジェクトを最大 10 件、12 月 12 日までに選定することを目指します。

Mozillian とコミュニティの皆さんは、このプログラムの条件について改善点があればご意見をお寄せいただき、プログラムをさらに良いものにするためにご協力をお願いします。プログラムの条件は、https://wiki.mozilla.org/MOSS でご覧いただけます。1 週間の間、皆さんのご意見を受け付け、その後、初回助成金の条件を最終決定します。ご意見は、Mozilla オープンソースサポートのメーリングリスト宛にお送りください。メーリングリストには、こちらで登録できます。Wiki には、このプログラムに関する FAQ やその他の情報が含まれています。

また、Mozillian や Mozilla の友人の皆さんは、このプログラムの候補としてふさわしい、Mozilla を支えるプロジェクトの選定を始めてください。現在、Mozilla を支えているプロジェクトの基本的なリストをこちらで作成中です。

オープンソースとフリーソフトウェアが、オープンなインターネットと健全で信頼できるオンライン体験にとって不可欠な要素であることを、Mozillian の皆さんがどれほど深く認識しているかということに、私はたびたび気付かされます。こうした世界観を具体的にサポートするプログラムを構築するのは、とても心が躍ることです。このプログラムをすばらしいものにするために、優れたプロジェクトを選ぶために、Mozilla がどのように関われば有意義な変化をもたらすことができるかという答えを見つけるために、そして、Mozilla がオープンソースとフリーソフトウェア分野の仲間たちとのつながりを深めるために、皆さんが重要な存在なのです。

私はこの取り組みを支援し、この取り組みをすばらしいものにしようとする皆さんを支援したいと思っているのです。

(私のブログ Lizard Wrangling の投稿から転載)

第 5 回角川インターネット講座 THE SALON 「ネットを支えるオープンソース」

インターネットとその社会を率いてきた各界のトップランナー達が監修し、設計と思想・文化・ビジネス・セキュリティ・著作権など、インターネットの様々な側面を 15 のテーマでバランスよく解説する書籍シリーズ「角川インターネット講座」

このシリーズの第 2 巻、まつもとゆきひろ氏監修の「ネットを支えるオープンソース ~ソフトウェアの進化~」をテーマにしたリアル講座 "THE SALON" が 4 月 8 日 (水) に開催されます。

まつもとさんの講演の他、第 2 巻の執筆に参加した Mozilla Japan 代表理事の瀧田佐登子も登壇し、TechCrunch Japan 編集長の西村賢さんを交えてのトークセッションも行われる予定です。

普段オープンソースに直接関わっていない方、これから学びたい方にとっても、オープンソースの最新動向やその原動力について知っていただく貴重な機会になると思いますので、ご興味のある方はぜひご参加いただければと思います。

  • 日時: 2015 年 4 月 8 日 (水) 19:00 - 21:00 (開場18:30)
  • 会場: 角川第 3 本社ビル 3 階 (千代田区富士見 1-8-19) <地図>
  • 参加費: 8,000 円 (税込)
  • イベント詳細: http://kci-salon.jp/thesalon/
  • お申込: peatix サイトよりお申込ください

Matchstick: Firefox OS 搭載のストリーミングデバイス

Firefox OS が搭載された、最初のストリーミングデバイスが発表になりました。その名も Matchstick。対応したアプリであれば、再生している動画やプレイ中のゲーム画面をそのままテレビに表示させられます。matchstick-1.jpg

このようなデバイスは他にも存在しますが、Matchstickが特徴的なのは、そのオープンさです。開発者向けサイト (英語) では API が全て公開されています。こちらを利用することで、Matchstick に対応したアプリを作成することができます。またAPIと同様に、ハードウェアの情報もオープンとなっています。仕様だけではなく、回路図までも入手可能です。

Matchstick 上で動作するアプリの作成に貢献されたい方向けにディベロッパープレビュー版のデバイスをお送りするプログラムもあります。Matchstick 上で動作する Firefox OS へのアプリ移植をお考えの方、ぜひご応募ください。

デバイスについての詳細は Hacks ブログの記事をご覧ください。新しいフォームファクタも加わり、ますます Firefox OS の世界が豊かになってゆきますね。みんなで楽しくハックしていきましょう!

Cisco の H.264 コーデックにより Web 上でのビデオの相互運用性が向上

編集者のコメント:Mozilla の CTO、Brendan Eich は、Mozilla と先ごろ Cisco が発表した H.264 に関する記事を自分のブログに投稿しました。以下はその転載です。

昨年お伝えしたように、オープンソースソフトウェアにとって最大の課題の 1 つが、ビデオコーデックの特許に関する状況です。最も広く普及しているコーデック H.264MPEG LA が特許を取得してライセンスを供与しており、Firefox を含むオープンソース製品では採用できませんでした。Cisco は本日、高品質で無料(Gratis)のオープンソース H.264 の実装と、Cisco がそのソースコードからコンパイルし同社のサイトでダウンロードできる無料のバイナリモジュールをリリースすることを発表しました。これにより、すべてのオープンソースプロジェクトで、MEPG LA にライセンス料を支払う必要なく Cisco の H.264 モジュールを実装できるようになります。

Mozilla は Cisco のこうした貢献に感謝するとともに、近日中に Cisco の OpenH.264 バイナリモジュールのサポートを Firefox に追加する予定です。それにより、このバイナリモジュールを Firefox で配布するコンテンツやその他すべてのプロジェクトで使用できるようになります。また、Mozilla は Cisco と協力して OpenH264 プロジェクトの基盤を固め、このプロジェクトを適切に管理していきます。Mozilla はこれまでにも WebRTC 実装に関して Cisco と非常に緊密に協力し合っており、Cisco がオープン Web への取り組みにさらに力を入れていることを喜ばしく思います。Cisco のコラボレーション担当 CTO、Jonathan Rosenberg 氏は、「Cisco は、より高度な柔軟性と相互運用性をユーザに提供するためのモデルとして、長年に渡ってオープンな標準技術、オープンフォーマット、オープンソーステクノロジをサポートし、統合してきました。Mozilla との協力によって H.264 が Web とインターネットで利用できるようになることを楽しみにしています」と述べています。

今後の状況をもう少し詳しく説明しましょう。Cisco は BSD ライセンスに基づいて H.264 スタックをリリースし、このスタックを、広く普及している、あるいは適切なサポートが可能なすべてのプラットフォーム向けにコンパイルしてバイナリモジュールを作成します。このバイナリモジュールは Firefox をはじめあらゆるアプリケーションにロードできます。バイナリモジュールは Cisco のサイトからダウンロードでき、Cisco が MPEG LA に特許ライセンス料を支払います。Firefox ではユーザ設定で自動ダウンロード機能が無効になっていない限り、必要に応じて適切なバイナリモジュールを自動的に各ユーザのマシンにダウンロードしてインストールします。

インターネット上では相互運用性が不可欠であり、H.264 は Web 上で圧倒的に多く使用されているビデオコーデックです。HTML5 ストリーミングビデオの大半は H.264 を使用してエンコードされ、ほとんどのソフトフォンやビデオ会議システムでも H.264 が使用されています。H.264 チップセットは広く利用されており、多くの Firefox OS 搭載スマートフォンをはじめ、現在ほとんどのスマートフォンに使用されています。Firefox では、プラットフォームでのコーデックが可能な場合にはそれを使用することで、HTML ビデオ で H.264 をすでにサポートしています。しかし私がこの件に関する前回のブログ投稿で述べたとおり、すべての OS が H.264 に対応する状態で提供されているわけではありません。AAC 音声デコーダが Cisco の OpenH264 バイナリモジュールに対応できるようになれば、このモジュールを使用することによって他のプラットフォームをサポートし、H.264 の用途を広げることができます。

今回の Cisco の対応によって、Firefox ではすべての OS で H.264 をサポートできるようになりますが、Mozilla は HTML ビデオおよび WebRTC 向けに引き続き VP8 をサポートします。VP8 と H.264 はどちらも WebRTC 向けの優れたコーデックであり、現時点では、どちらも選択できることがユーザにとって最良の状態であると Mozilla は考えています。

もちろん、これが完璧な解決策というわけではありません。完璧な環境とは、TCP/IP、HTTP、HTML などの基本的なインターネット技術と同様、コーデックも完全にオープンかつ無料で、誰もがライセンス契約やライセンス料不要で変更、再コンパイル、再配布ができる環境です。Mozilla はそうしたより良い未来の実現に向けて全力を尽しています。そのために、Mozilla では現在、完全にオープンな次世代のコーデック Daala の開発を進めています。Daala はまだ開発途上ですが、H.265 と VP9 を追い越して、高品質かつ制約のないコーデックの開発を目指しています。Mozilla は Daala を開発するためのエンジニアリングドリームチームを編成しました。このチームには、音声エンコードの新標準 Opus の共同開発者である Jean-Marc Valin、Theora プロジェクトのリーダー Tim Terriberry、Icecast の開発者で先ごろ Xiph を共同設立した Jack Moffitt、Ogg Vorbis の開発者 Monty Montgomery の各氏が参加しています。

Cisco のコラボレーショングループに所属するフェロー、Cullen Jennings 氏は、「Cisco は特許使用料が無料になるコーデックの将来に大きな期待を寄せています。Daala はコーデック分野で現在進められている技術開発の中で最も興味深いものの 1 つであり、Cisco はこのプロジェクトに貢献してきました」と述べています。

Mozilla は常に、ユーザのためになることは何かということを考えています。今回その答えは、大量の H.264 コンテンツをすべての OS と他のブラウザで相互運用可能にすることです。Cisco がホストする H.264 バイナリモジュールを統合する方法についてはすでに検討が開始されており、2014 年初めにはユーザに何らかの成果を提供できるようになると考えています。

WebRTC、Daala、オープン Web ビデオでの、さらにすばらしい発展にご期待ください。

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Video Interoperability on the Web Gets a Boost From Cisco's H.264 Codec の抄訳です。文中リンク先は一部英語となりますのでご了承ください。]

9/18 に Mozilla のコミュニティ紹介イベント MozCafe を開催します

Mozilla では製品開発、ドキュメント執筆、ユーザサポートなどあらゆる活動を世界中の Mozilla コミュニティメンバーと協力して行っています。コミュニティ活動はオンラインで行われることも多いですが、Firefox など Mozilla 製品が好きな人やこれから Mozilla コミュニティに参加してみようと関心を持ってくださる方と一緒に、現在 Mozilla で活躍しているメンバーがコミュニティ活動を紹介するオフラインイベントも開催しています。

特に最近では MozCoffee や MozCafe という名前で (時には実際コーヒーショップやカフェで) 飲み食いしながら気軽に集まってオフ会イベントを行うコミュニティが増えてきており、例えばフィリピンボスニア・ヘルツェゴビナ などでは MozCoffee として、インドなどでは MozCafe として開催されています。

来週 9/18 には日本でも MozCafe としてコミュニティ紹介イベントを行います。Firefox など Mozilla の製品が好きな人、開発やドキュメント作成やユーザサポートなどに協力してくれる人、ユーザ、オープンソースが好きな人などが気軽にオフラインで集まって情報共有できる場にしたいと思いますので、Mozilla の活動やコミュニティに興味がある方や、Mozilla と一緒に何かしてみたい方は ATND のイベントページ でお申し込みの上でご参加ください。コミュニティメンバーと一緒にお待ちしております。

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フィリピンやボスニア・ヘルツェゴビナでの MozCoffee の様子
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インドでの MozCafe と Mozilla Japan オフィス (MozCafe 会場)

詳細は イベントページ をご覧ください。

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