Mozilla Japan ブログ

Mozilla、Firefox、Thunderbird の最新情報をお伝えします

アーカイブ - ユーザエクスペリエンス

健全で持続可能な Web に向けた Mozilla のビジョン

[これは、米国 Mozilla のブログの記事 Mozilla's Vision for a Healthy, Sustainable Web の抄訳です]

驚くことではありませんが、コンテンツブロックを巡る最近の議論は、自身の Web 体験をコントロールする手段としてコンテンツをブロックするユーザと、ブロックされるコンテンツから収益を挙げようとする商業的関心を持つ者との間で 2 極化した論争へと発展しています。そこから必然的に、どのコンテンツが良く、どのコンテンツが悪く、またどのコンテンツをブロックすべきかという議論が生じています。

コンテンツブロックに関してこのような論点に注目するのではなく、なぜユーザーがオンラインでの行動の助けとして、コンテンツブロッカーのような乱暴とも言える手段を求めることになっているのか自ら問いかける必要があります。この質問への完全な回答はまだ得られていません。その理由はユーザによって異なり、また使用する機器によっても異なるように思われます (たとえばデスクトップユーザーにとってはプライバシーが主な理由であってパフォーマンス向上は付随的メリットかも知れず、一方モバイルではパフォーマンスとデータ通信量が最も重要であるかも知れません)。私たちは業界としてユーザーのニーズを理解する必要があります。

ユーザのニーズと商業的関心はゼロサムゲームではなく、この 2 つはそれぞれ、繁栄し安定した Web の構成要素としてお互いを補完する位置付けにあります。商業的利益とユーザにとってのメリットとの間でバランスを取ることは健全な Web にとって不可欠です。

よりバランスを必要とする問題はユーザのデータです。ユーザデータの収集と使用はそれ自体が有害なことではありません。パーソナライズ機能、製品のアップデート、ユーザサポート提供、および製品の機能向上に役立ちます。データ収集を通じてユーザに価値を提供することは健全なことであり、魅力ある体験を作り出すために必要です。しかしユーザに価値やコントロール能力を提供することなくデータを収集する場合、この価値交換は不透明なものとなり、問題が生じます。こうなってしまうとユーザは健全な場合のデータ収集も含めてシステム全体を信用しなくなります。

私たちは問題の根源に迫ろうとしていますが、そのための手段は調査だけではありません。私たちはまた製品や機能を開発し、優れたユーザ体験と商業的持続可能性の両立に向けて取り組んでいます。

このデリケートなバランスを取ることのできるポイントを発見し、また信頼に基づく Web を実現していく計画を立てるため、皆さんの助けを必要としています。ベータ版 Firefox に導入されたトラッキング保護機能つきプライベートブラウジング をお試しください。プライベートブラウジングでのトラッキング保護は、その目的がデータの保護であれより優れたパフォーマンスであれ、更なるコントロールを求めるユーザを対象とした機能です。また LightbeamSmart On Privacy、および Web Literacy プログラム をはじめとしたツールでは、ユーザが Web の仕組みについて学びより深い見識を得られるよう支援しています。

商業面からは、私たちはサイトでの体験をコントロールし、ユーザにもより受け入れやすい広告体験を提供できるよう、パブリッシャのイニシアティブと共に 主導的な役割を果たしています。

業界として私たちは、ユーザを単に獲得すべき対象として見るのではなく、製品に関するビジョンの中心に置き続けなければなりません。これがユーザの選択を尊重し、最も優れた、最も信頼される、また最も価値ある体験を提供する唯一の手段です。

ユーザ中心の考え方で Web サイト運営に変革をもたらそう

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Publisher Transformation with Users at the Center の抄訳です。文中リンク先は英語となりますのでご了承ください。]

  • ディレクトリタイルについて、より詳しい情報がこちらに追加されました。

Web サイトの運営者がユーザ中心の考え方をすれば、すべてのユーザ体験がより豊かで意味のあるものになると Mozilla は考えています。コンテンツサービスチームはこの問題に取り組んできました。今日は私たちのそうした考え方の一端をご紹介し、それを実践するための第一歩を説明したいと思います。

ユーザ中心の考え方は、Web サイトの運営者やマーケティング担当者などのコンテンツ制作者を含め、すべての人々にメリットをもたらします。デジタル化はすでにあらゆる業界を変革していますが、その大きな理由は、デジタル化によってユーザにより多くの選択肢とパーソナライズ機能がもたらされるためです。デジタルメディアの課題は、それが変化の激しい環境であり、昨日まで機能していたものが明日は機能しないかもしれないという点にあります。

Mozilla はこれまで、デジタルコンテンツコミュニティ、特に IAB(Interactive Advertising Bureau) のすべての考え方と必ずしも見解が一致していたわけではありませんが、ユーザの利益を最優先すべきであるという考え方にはコミュニティも同意してくれると思います。Mozilla はコミュニティのメンバーが、Web のエコシステムを強化する魅力的なコンテンツを提供できるよう支援したいと考えています。そのため、IAB の委員長 Randall Rothenberg 氏から、2 月 9 日 - 11 日に行われた Annual Leadership Meeting に Mozilla も参加してその考えを述べるようにと声をかけていただいたとき、私たちはそのチャンスに喜んで応じました。この会議で話し合われた主なテーマの 1 つが、「Web サイト運営に変革をもたらそう」です。そこで、私は Mozilla の考え方と最新の活動について、今朝、会議の出席者の皆さんに講演してきました。

ディレクトリタイルプログラム

Mozilla は、まず 2 つのプログラムによってユーザのコンテンツ体験の変革に取り組み始めています。1 つは、皆さんもすでに聞いたことがあるかもしれませんが、「UP」というものです。これについては今後の投稿で新しい情報をお伝えしていきます。

もう 1 つは、「ディレクトリタイル」という新しいプログラムです。Firefox を初めて使うユーザにとって、このブラウザがより使いやすいものになるように設計されたものです。現在、Firefox を初めて使うユーザが新しいタブを開くと、このように表示されます。
blank_newtab-252x213.jpgタイル、つまりこの 9 個の四角には、やがてそのユーザがよく訪れる Web サイトや最近訪れた Web サイトが表示されるようになりますが、現在は何もありません。新しいタブページは、初めて使うユーザにとっては何の価値もないのです。

一方、ディレクトリタイルは、Firefox を初めて使用するユーザにお勧めのサイトをあらかじめパッケージにして表示します。ここに表示されるタイルには、Mozilla のエコシステムに参加している Web サイトや特定の地域で人気のある Web サイト、さらには Mozilla のミッション追求を支えてくれる厳選されたパートナー各社が提供するコンテンツなどがあります。このようなコンテンツはユーザに楽しんでいただけると Mozilla は考えていますが、そのタイルには、スポンサーによる提供である旨が明示されます。

私たちはこのディレクトリタイルに大きな期待を寄せています。このタイルは本来の価値をユーザにもたらすものであり、信頼と透明性を高めることによってより良いインターネットを実現するという Mozilla のビジョンにも一致し、プロジェクトとしての Mozilla の多様性と持続可能性をさらに高めるものだからです。製品ロードマップはまだ完成していませんが、提携の可能性についてコンテンツパートナー各社との話し合いを始めており、適切なユーザ体験を実現できるようになり次第、新しい Firefox にディレクトリタイルを搭載していく予定です。

ディレクトリタイルや他の取り組みについてはこのブログでさらに情報を更新していきますので、ぜひこのページをブックマークに登録しておいてください。

Mozilla Firefox Accounts を導入します

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Introducing Mozilla Firefox Accounts の抄訳です。文中リンク先は英語となりますのでご了承ください。]

Mozilla は Web のオープン性や革新性、および Web がもたらすさまざまな機会を推進するという使命に基づいて設立され、信頼を得ている組織です。技術を公開の場で開発し、すべての人々にメリットをもたらす標準技術を推進することによって、Web を開発者と業界にとってのプラットフォームとして発展させてきました。人々に好まれ、ユーザを第一に考えた製品であると同時に Mozilla の使命の大切さを具現化する、楽しくパワフルで豊かな機能を備えた製品を提供することに力を入れています。

Mozilla は Firefox OS の開発に着手したとき、Web がさらに優れたモバイルプラットフォームへと進化することの必要性について自分たちが多くのことを学んできたと確信していました。また、Firefox OS 搭載デバイスの第一弾を市場で提供開始したときには、Mozilla の製品と組織が、成長して新しい課題と機会に取り組む必要があると考えていました。

昨年、Mozilla はモバイルデバイスの急増によって成長した Web のある特定分野、つまり(時にインターネットサービスと呼ばれる)クラウドを検討するチームを新たに設置しました。Mozilla は 15 年以上に及ぶ Web (と、それによって実現されるクラウド) の先駆者として、常にクラウドサービスの最前線で活動してきました。たとえば、Firefox ブラウザとそれに統合されるアドオンプラットフォームのようにソフトウェアのダウンロードと更新方法を最適化し、最近では Firefox Sync、ソーシャル機能、WebRTC などを統合しています。

Mozilla はユーザと開発者が自分で自分の Web 体験をコントロールできるようにする、価値の高いサービスの提供に努めてきました。しかし、Mozilla の製品全体にわたるこうした統合サービスに簡単に登録しサインインする方法は、これまでありませんでした。

本日 Mozilla は、ユーザが安全で簡単にアカウントを作成できる Firefox Accounts を導入します。このアカウントにより、ユーザはどこからでも自分の Firefox にサインインして利用することができます。Firefox Accounts を使用すると、新しい Firefox Sync などのサービスをより簡単に Web 体験に統合できます。

Firefox Sync は、ブックマーク、履歴、開いているタブ、パスワードなどの閲覧データを、さまざまなデバイスで常に手元にあるかのように利用可能にするサービスです。今回、このサービスのセットアップと複数デバイスの追加がさらに簡単になりました。ブラウザベースの暗号化機能も従来どおり提供されます。

Firefox Aurora をお使いのユーザは、この新しい実験的な Firefox Accounts と Firefox Sync をテストできます。Mozilla は Firefox Sync で最高のユーザ体験を提供することに取り組んでおり、ぜひ皆さんからフィードバックをいただいて、このサービスを世界中の人々に利用していただけるようにしたいと考えています。

今後、どのような新しいサービスや機能を開発して Firefox で皆さんに体験していただけるかを探っていくことを楽しみにしています。Firefox Accountsと Firefox Sync などその他のサービスの詳細は、近日中にお伝えします。

-- Mark Mayo and Cloud Services Team

参考情報:

Persona の最初のベータ版をリリースしました

Mozilla は、Web サイトからパスワード入力を不要としつつ、安全で簡単に使える試験的なログインシステムの開発に取り組んできました。この度、「試験」段階を終え、Persona の最初の「ベータ版」をリリースしました。

Persona は、様々な端末で Web サイトのログインに使えます: すべての主要なスマートフォン、タブレット、デスクトップ上のブラウザ で動作し、よく吟味され、洗練されたユーザ体験をご提供します。私たちは、Persona の 中核をなす API に注力 してきましたが、その基幹部分は高い可用性と安定性を実現しています。

Persona は、The Times 社のクロスワードパズルのサイトで利用されており、モバイル端末でもデスクトップと同じように簡単にログインできます。この動画をご覧ください:

「[Persona] は、OpemID や OAuth よりも容易に使うことができました。なぜなら、JavaScript でクライアントサイドのほとんどのことが行えるからです。」 -- David Somers, News International

Persona はまだ完成していませんが、最初にご紹介 してから過去数ヶ月の間に多くの改良を行いました:

これらの変更は、利用者に快く受け止められ、Mozilla 外部からの Persona への注目も集まっています。開発者の皆様は、今が Persona を試す時です。Persona は オープンソースのプロジェクト です。私たちは、メーリングリストIRC チャンネル (#identity on irc.mozilla.org) を通じた幅広いコミュニティからのご意見とご協力を喜んで歓迎します。

これは後に続くベータ版の最初のリリースです。この後にも、いくつかのすてきな計画があります。

Persona は、既存のログインシステムと共存できます。導入に時間はかかりません。さらに、Persona のログインはメールアドレスをベースにしているため、サイトの管理者は、ユーザをメールアドレスで直接管理することができます。Persona の ドキュメント をご覧になり、サイトの認証にご利用ください。

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Announcing the First Beta Release of Persona の抄訳です。文中リンク先の一部は英語となりますのでご了承ください]

新しくなった Firefox のスタートページとタブページを紹介します

今日 (日本時間深夜) リリースとなる Firefox の最新版で、Mozilla のユーザエクスペリエンスチームは 2 つの機能を再設計しました。それは「スタートページ」と「新しいタブページ」です。スタートページは、(ホームページを変更していなければ) ツールバーにあるホームボタンをクリックするか、Alt+Home キーを押すか、ロケーションバーに「about:home」と入力することで表示できます。新しいタブは、タブの右隣にある「+」ボタンをクリックするか Ctrl+T キーを押したときに表示されます。

Firefox の新しいタブページ

Firefox の新しいスタートページ (赤枠で囲んだ部分がショートカットアイコンです)

これまで、Firefox のスタートページと新しいタブページはごくシンプルなものでした。スタートページには、大きな検索バー、Mozilla がユーザの皆さんに向けたメッセージを表示する「スニペット」、他にいくつかのリンクがあるだけでした。スタートページに検索バーを配置している主な理由は、多くのユーザが、画面右上にある検索バーに気付いていないのかそれを使いたくないのか分かりませんが、ホームボタンをクリックして検索を始めようとするからです。スニペットは、新しいベータ版のお知らせなど、Mozilla が皆さんに直接伝えたいメッセージを表示するために使っています。こうしたメッセージは、通知を出して皆さんの作業を中断させるほどの緊急性はありませんが、時には重要な内容が含まれる可能性もあります。

新しいタブは、Firefox 史上ほとんどの期間、完全に空白のページでした。これは、ブラウジングタスクを新たに始めるためのさっぱりとした新しい「シート」をユーザに提供するため、意図的にそうしていたのでした。しかし、空白のページは気をそらさせるものではないかもしれませんが、役に立つものとも言えませんでした。

そこで、空白ページよりも役に立つ内容を提供できないか検討を行うことにしました。Mozilla Test Pilot ツールを使って、Firefox ユーザが新しいタブをどのように使っているか、調査を開始しました。その結果、平均的な Firefox ユーザは毎日 11 個新しいタブを開いており、新しいタブ 1 つにつき 7 ページを読み込み、2 つの固有ドメインを訪れるということが分かりました。新しいタブには、ユーザが閉じるか別のタブに移る前に、平均して 2 つのページが読み込まれていました。

こうした調査から私たちが学んだことは、ユーザは新しいタブを何度も開いているものの、そこから少数のよく訪れるサイトへ戻る可能性がとても高いという実態でした。そのため、最もよく訪れるサイトへすばやくアクセスできる機能を新しいタブ上で提供してみることにしたのです。

Firefox の最新版では、新しいタブページを開くと、最もよく訪れるサイト (トップサイト) が大きなサムネイル付きで一覧表示され、URL を入力したり、それらのページへ移動したりする時間を減らせます。このデータは、Firefox のスマートロケーションバーに文字を入力すると逐次表示される推測候補と同じく、ユーザのブラウジング履歴から生成されます。新しいタブページを開いた直後はロケーションバーにフォーカスが当たっているため、どこか新しいサイトへ行きたい場合も、即座に URL か検索語を打ち込んで移動することも可能です。トップサイトを一時的あるいは恒久的に隠したいときは、ページ右上にあるグリッド状のアイコンをクリックすれば、新しいタブを空白ページに切り替えられます。

スタートページもデザインを一新しました。目立つ検索バーとスニペットは残しつつ、デザインはより柔らかく、文字はより読みやすくしました。ページの下に並んでいるショートカットボタンからは、ブックマーク、アドオン、以前のセッションなどをすばやく開けます。

スタートページと新しいタブページはいずれも、Firefox をよりパワフルで魅力のある、美しい製品にしていこうという Mozilla の長期的なビジョンの一環として改良を行いました。この目標に向け、今後のバージョンでさらにデザインを改善していく予定です。一足先に試したい方は Firefox のベータ版 を使ってみてください。

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Update on Firefox 13′s Home and New Tab Redesign の抄訳です]

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