Mozilla Japan ブログ

Mozilla、Firefox、Firefox OS、Thunderbird の最新情報をお伝えします

個別記事アーカイブ

ゼロレーティングに立ち向かうアイディアコンテストを開催します

Mozilla 会長の Mitchell Baker は昨年、自身の ブログ で、特定のアプリやコンテンツの利用時にデータ通信量が無料になる仕組み「ゼロレーティング」に対し、インターネット上のデータを全て同じように扱う「イコールレーティング」という考え方を提唱しました。

これは、「インターネットは、全ての人に開かれた公共の資源であり続けなければならない」という Mozilla の根幹となる考え方に対して、大きな資本を持つ大企業だけがゼロレーティングの仕組みを使って消費者を囲い込むことで、小さなベンチャー企業が市場に参入することが困難になりかねないこと。そして、この仕組みでは、インターネットのほんの一部分にしか参加する事ができないことを懸念するものです。

Mozilla では、こうした考え方を実現するため、"Equal Rating Innovation Challenge" というアイディアコンテストを実施します。イコールレーティングの考えを具現化できるアイディアを世界中から募集し、実現の可能性があるプランには、賞金とメンタープログラムでビジネス化を支援します。日本からももちろん応募可能ですので、ぜひご参加下さい!

[以下は、米国 Mozilla Blog の記事 "Bringing the Power of the Internet to the Next Billion and Beyond" の抄訳です]

次の 10 億人がインターネットに参加するために


入賞者には合計 25 万ドルの賞金とエキスパートによるメンタリングを提供。すべての人がインターネットに参加するためのアイデアコンテスト「Equal Rating Innovation Challenge」を Mozilla が主催します。

性別や収入、住んでいる地域に関わらずすべての人が平等に参加可能になってこそ、インターネットはその力を最大限まで発揮できると Mozilla は考えています。しかしデジタル・デバイドは現在も根強く存在しています。World Economic Forum の調査によればいまだ 40 億人もの人 がインターネットへアクセスできていません。これは、世界人口の 55% 以上にも値する数値です。貧困や過疎に悩む一部地域では、必要な設備が整っていません。高速の有線あるいは無線インターネットを利用できる過疎地域は全体の約 30% にとどまります。一方で、自分の言語でのコンテンツが無いという理由からインターネットを利用しないという人もいます。また World Wide Web Foundation のアンケート調査によると、女性のインターネット利用率は全体の 37% で、男性の 59% を大きく下回っています 。

しかし、ただインターネットへのアクセスを提供すれば問題が解決するわけでもありません。選抜された一部コンテンツしか提供できなかったり、一部プロバイダによる囲い込み (Walled Garden) が起きたりしていては、インターネットのプラットフォームとしての強みを支える、誰もが参加できる民主性が失われてしまいます。 2015 年には Mitchell Baker が彼女のブログで「イコールレーティング」という概念を提唱しています 。以来、 Mozilla は USヨーロッパ 、そして インド にて、 ネットニュートラリティ (ネットワーク中立性) を推進する政策形成に関わってきました。本日、 Mozilla の Open Innovation Team は実践的で行動ベースの新たな試みを始めたいと思っています。

こうした想いから、 Equal Rating Innovation Challenge をグローバル規模で始動させます。このチャレンジは次の 10 億人をインターネットに参加させるイノベーションを醸成するためのものです。新たな層へインターネットへのアクセスを提供するためのクリエイティブな解決策を発見することが目的です。ここで言う解決策とは、コンシューマ用のプロダクトやモバイルサービス、新規ビジネスモデルやインフラ整備のアイデアなど、幅広く含みます。優秀なプランには、その実現に向けて Mozilla より合計 25 万 US ドルの資金と、エキスパートによるメンタリングが提供されます。

equalratingchallenge-logo-600x332.jpg

グローバルなデジタルリテラシーを醸成し、オープンなインターネット上で多様なコンテンツへのフルアクセスをすべての人の手に届ける 創造性に富んだで拡張性の高いアイデア を、世界中の起業家、デザイナー、研究家、そしてイノベーターの皆さんから募集しています。特に、当該地域に関する知識や情報に基づいたアイデアを歓迎します。私たちの目標は、世界中からの応募を受け入れることです。

今回授与される 250,000 米ドルの賞金は、以下の 3 つのカテゴリの入賞者で分配されます。

  • Best Overall (主要指標は拡張性の高さ)
  • Best Overall Runner-up (2 位入賞)
  • Most Novel Solution (実験的でありながらも実現可能性の高い案に授与)

授与される賞金はコンシューマー向けのプロダクトを市場にリリースするのに充分な額、あるいはインフラ整備のアイデアに関しては、さらなる資金を調達するまでの期間をサポートできる額となるでしょう。

2016 年 11 月 1 日に募集開始し、2017 年 1 月 6 日に応募を締め切ります。応募のあった案はすべて外部の専門家集団によって 1 月中旬までに精査されます。選考を通ったセミファイナリストは 3 月上旬のデモンストレーションに向けてプロジェクトのメンタリングを受けることができます。入賞者は 2017 年 3 月末に発表されます。

banner-submission.png

チャレンジ開催と同時に、www.equalrating.com というサイトも公開しました。ここでは Equal Rating Innovation Challenge に関する背景情報や教材が提供されています。 イコールレーティングを理解するために便利な 3 つのキー・フレームワーク について学ぶことができます。また、この問題に関する様々な統計情報も見ることができるので、インターネットの普及率が男女参画、教育、経済の他、さまざまな社会事象へ与える影響について知ることができます。 レポート のセクションでは、現在飛び交っている議論の各スタンスについて知ることができます。今後数週間に渡って、チャレンジの詳細について知ることができる Web セミナー (Webinar) のシリーズも公開していく予定です。これらの Webinar が、さらなる議論や Q&A のきっかけになることを期待しています。すべての人にインターネットへのアクセスを提供することは、私たちの時代の最大のチャレンジのひとつでもあります。これは、決して単一の組織の力によって解決できることではありません。ぜひ、周りの人にもこのチャレンジについて知らせてください。そして、革新的で拡張性のある アイデアを提出 し、次の 10 億人 (そしてそれ以降も) にインターネットへのアクセスを提供しましょう。この壮大なチャレンジに、Mozilla と一緒に挑戦しましょう。

前後の記事

前の記事: Maker Party 2016 : より良いインターネットのため立ち上がりましょう
次の記事: インターネットの安全を守る上での Mozilla の役割: 皆さんのご協力も必要です